ゴッホの病院絵画、ロンドンのギャラリーで初公開

100年もの間、個人コレクションとして保管されていたゴッホの病院の絵が、コートールド・ギャラリーで初めて展示される。

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美術ファン、特にゴッホのファンには嬉しいニュースだ。フィンセント・ファン・ゴッホの病院絵画2点が、ロンドンのコートールド・ギャラリーで初めて展示されることになったのだ。具体的には、「アルルの病院の中庭」と「アルルの病院の病室」が一堂に展示されるという歴史的な瞬間である。

ゴッホ病院の絵画について

これらの作品のルーツをたどると、ゴッホが1888年に南仏のアルル病院に滞在していたことがわかる。精神的な危機に陥り、自らの耳を切り取ったゴッホは、そこに避難し、ケアを求めた。不安にもかかわらず、ゴッホは周囲の環境を芸術に変え、病院の中庭や病棟を生き生きと、感情豊かに描いた。さらに、その絵には、苦悩の中に美を見出す彼の回復力と能力が反映されている。

妹のウィルに宛てた手紙の中で、ゴッホは「アルルの病院の中庭」の絵について述べている。

「アラブの建物にあるようなアーケードの回廊で、白く塗られている。このギャラリーの前には古代の庭園があり、中央には池があり、忘れな草、クリスマスローズ、アネモネ、キンポウゲ、ウォールフラワー、ヒナギクなど8つの花壇がある」とゴッホは書いている。

ギャラリーの下にはオレンジの木とキョウチクトウが植えられている。つまり、花と春の緑がぎっしり詰まった絵なんだ。しかし、3本の黒く悲しげな木の幹が蛇のように横切り、手前には4本の悲しく暗い大きな箱の茂みがある。”

ゴッホの絵画を手に入れる

両作品は、オスカル・ラインハルト・コレクションの一部として、数十年にわたりスイスに所蔵されている。ラインハルトはスイスのコレクターで、1920年代に絵画を入手した。しかし、厳しい貸出制限により、これらの名画は何年もの間、国際的な観客から遠ざけられていた。ラインハルトの死後、最近の合意によりコートールド・ギャラリーへの貸し出しが許可され、今回の展覧会が実現した。

展覧会の名前は「ゴヤから印象派へ:オスカル・ラインハルト・コレクションの名品 “である。開催期間は2月14日から5月26日までで、ゴッホの病院風景だけでなく、その他の美術の宝物を鑑賞することができる。

特に、フランシスコ・ゴヤ、エドゥアール・マネ、カミーユ・コローといった有名画家の作品を鑑賞することができる。特に、ゴヤの “Still Life with Three Salmon Steaks” とギュスターヴ・クールベの “The Hammock” が展示される。

展覧会の意義

コートールド展は、ゴッホ愛好家や美術史家にとって計り知れない意義を持っている。絵画を一堂に展示することで、このギャラリーはゴッホの創作過程や個人的な挑戦についてより深い洞察を与えてくれる。さらに、スイス国外ではめったに目にすることのないこれらの作品は、光、質感、感情をとらえるゴッホの天才的な才能を浮き彫りにしている。

さらに重要なのは、この展覧会がゴッホの不朽の遺産を浮き彫りにしていることだ。世界中の観客は、絶望を芸術作品に変える彼の能力を賞賛してきた。さらに、来場者は彼のビジョンがもたらす深い影響を間近で体験することができる。

コートールド・ギャラリーの開館時間は毎日午前10時から午後6時まで、最終入場は午後5時15分まで。チケットはhttps://myaccount.courtauld.ac.uk/events。

フィンセント・ファン・ゴッホ作 – アートブックより転載、パブリックドメイン、https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9486762

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